ルイヴィトンのトランクは浮くって本当ですか?

ルイ・ヴィトン
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ルイヴィトンのトランクケースが、「浮く」って話をどこかで聞いたことはありませんか?

私の場合は、子どもの頃、マンガ金田一少年の事件簿を読んで、「へぇーそうなんだぁ」って思ったことを記憶しています。

一番有名な話では、あのタイタニック号沈没でのお話。

1912年、タイタニック号が沈没した際、ルイヴィトンのトランクケースは、沈むことなく、このトランクを浮き輪代わりに助かった人がいたらしい…

また、沈没から数十年後、沈んでいたヴィトンのトランクを引き上げたところ、トランクケースの中に、一切水が入っておらず、荷物が当時のまま綺麗に残っていたらしい…

「らしい」という言葉が妙に引っかかるんですよね。
で、実際どうなの?って思うのですが、結論としては、真偽は定かではないようです。


船旅が主流だった時代、ルイヴィトンは完全防水のトランクを開発し、水に浮くよう設計されていたというお話も本当っぽいのですが、それを裏打ちする証拠があるわけではないので、絶対に本当であるとは言えませんが、逆に嘘だとも言えません。

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ルイヴィトンのトランクは浮くの?

ルイヴィトンというブランドが現在まで一貫してこだわり続けているコンセプトは、「旅」といわれています。そして、ルイヴィトンの創業者ルイ・ヴィトンはもともとトランク職人でした。


「旅」そして「トランク」。このワードはなんだか強くないですか?
いかにも浮くトランクを開発してそうですよね。

旅のメインの移動手段が、自動車や飛行機となる1900年代初頭、ルイヴィトンはさまざまな新作トランクを発表するのですが、その中で海に落ちても沈まないトランクも発表していたようです。

ルイヴィトン トランクケースの素材

ルイヴィトンのトランクケースの素材ですが、ルイヴィトンのトランクは、1854年創業の時から、革製ではなく、布製だったんです。
革よりも軽く、防水加工を施した布地「グリ・トリアノン・キャンバス」を張って作ったトランクなど、「旅を」原点にし、考案した商品を販売していたのです。

これらの情報をもとに考えると、「浮く」と思えます。

それに、ルイヴィトンのトランクのベースは、「木」なんですよね。木はたくさんの空気を含んでいるので、水に浮きますよね。
それに、防水加工がされた軽い布地を張り付けるわけなので、浮きそうですよね。


実際にトランクが浮いているところを見たことがないので、断定まではいきませんが、私は浮くと考えます。

ただ、現在のトランクが浮くかどうかは少し疑問があります。
現在のトランクの素材は、ベースは木ですが、覆っているものは、トアル地というものが使われています。
トアル地は、エジプト綿という世界三大綿とも呼ばれる綿に、塩化ビニルの樹脂加工をほどこした、丈夫で弾力性のある素材です。モノグラムやダミエの素材ですね。
これ、昔の素材に比べるとちょっと重そうですよね。浮きそうにはみえないのですが、実際どうなんでしょうか。

ルイヴィトンのトランクケースは浸水もしない?

冒頭でもお話した、タイタニック号沈没から数十年後、沈んでいたヴィトンのトランクを引き上げたところ、トランクケースの中に一切水が入っておらず、荷物が当時のまま綺麗に残っていたというお話。

これはちょっと、私は疑っちゃいます。

その理由は、水圧です。タイタニック号は、海底約3700mに沈みました。
ということは、地上の約370倍もの気圧がかかります。さすがにこれには耐えられないのでは?浸水しないわけない、と思うのですが…。


そもそも、どうしてルイヴィトンのトランクは「浮く」という話が、こんなにも有名になってるんでしょうかね。浮いているところを見たことないのに。

シンボリックストーリー

「シンボリックストーリー」という言葉聞いたことありますか?

企業の特徴や強みを、端的に表したエピソードを「シンボリックストーリー」と呼んだりします。

ルイヴィトンは、タイタニック号の悲劇を、図らずもチャンスに変え、商品の信頼を格上げした1つの企業なんです。

「タイタニック号の事故の際に、乗客の荷物の中にあったルイヴィトンのトランクは沈まず、それにつかまって助かった乗客がいた」

「沈没から数十年たって、船体に取り残されたルイヴィトンのトランクを引き上げてみると、中にはまったく水が入っておらず、荷物は当時の姿のままだった」

この話が、ウソかホントかは分かりませんが、事故から100年以上経った今でも、性能の良さを感じさせるお話であることは、確かです。

シンボリックストーリーの特徴が3つあります。

  • 企業の強みを象徴している
  • 企業の戦略方針に合致している
  • 思わず人に話したくなる

最後の「思わず人に話したくなる」という部分、共感できますよね。

もちろん、ルイヴィトンが誇る高い品質と技術を象徴しているストーリーだからこそ、人にも話したくなるわけです。「なんだか嘘っぽいな」という話なら、ただの噂話で終わってしまいます。


本当に浮くのかどうかというよりも、これらのストーリーが、ルイヴィトンの品質の良さを際立たせ、100年以上もの間、人から人へ伝わり続けているのです。

検証は無理かも!?

実際にルイヴィトンのトランクが浮くのかどうか、誰か検証していないのか?と思い調べてみたのですが、まぁ、いなかったですね。

そりゃそうですよね。ルイヴィトンのトランクケースのお値段って、けっこうなお値段。
気軽に試せるレベルのものではないですね。


私の財力では到底無理!

ルイヴィトンのトランクケースが、浮くか浮かないかの検証は、そう簡単にはできそうもありません。

まとめ

簡単にまとめます。

  • ルイヴィトンのトランクケースが、浮くのか浮かないのか。確証がないので、答えとしては、わからない。
  • ルイヴィトンのトランクのベースは、「木」。浮きそうな気はする。
  • 昔の素材、防水加工を施した布地「グリ・トリアノン・キャンバス」を張って作ったトランクなら、浮きそう。
  • 現在の素材、「トアル地」を張って作ったトランクは、布地よりも重いので、浮きそうな感じはしない。
  • 浸水の話は疑わしい。が、確証はない。
  • 検証してみたいが、気軽に試せる金額ではない。