私はミンクオイルだけでブーツの手入れを何十年としています。
個人的な理由ですが、キズや汚れも雰囲気として好きだからです。
クリーナーも持ってはいるのですが、一度使ってみて「何か違うな」と感じて以来使わなくなりました。
まぁ、、クリーナーは少し手間が増えるので面倒くさいなってのもちょっとありますけどね。
ミンクオイルはカビが発生しやすいからダメだという話もありますが、私は一度もカビは発生したことないので、それを聞いた時は「えっ?ミンクオイルダメなの?そうなの?」って感じでした。
カビを気にしてミンクオイルを使わないってのはもったいないですし、オイルの塗り方やブーツの保管に少し気をつけておけばカビは怖くありません。
雰囲気あるブーツ、カッコいいブーツは自分の手で作り上げることが出来るんです。
ジーンズみたいな感じですよね。自分の足に馴染んできます。
ピカピカの綺麗なブーツも良いのですが、ワークブーツは、まず実用的であること、カッコよさの原点はそこにあるのではないでしょうか。
履き込んで手入れを行うことで自分の色になっていくのを楽しむことが出来ます。
普段手入れをしない方やワークブーツの手入れ方法がわからない方は、まずはミンクオイルだけで大丈夫です。
愛情込めて手入れをしてみましょう。
※注意…ミンクオイルはスエード、ヌバック素材には使いません。またドレスシューズへの使用も避けましょう(ツヤが出にくくなります)。
ブーツの手入れに必要なもの
必要なものは、馬毛のブラシ、ミンクオイル、ウエスです。
私のこのブーツはレッドウイングですが、レッドウイングでなくてもワークブーツはこの3つで簡単に手入れできます。
ウエスはホームセンター等で袋詰めで売られています。一度購入しておけば色んな手入れ場面で使えるので便利ですよ。もちろん着なくなったTシャツ等でも構いません。なるべくコットン100%で柔らかいものがオススメです。
レッドウイングだからといってレッドウイングのブラシやミンクオイルを使わないといけないわけじゃありません。
ブラシは豚毛よりも馬毛のブラシをオススメします。
ホコリやゴミを落とすのに効果的なのは馬毛のブラシです。
ブラッシングが大事
シューレース(靴ひも)はすべて取り、まずはブラッシング。
オイルを塗る前に、まずはブラッシングでホコリを落とします。オイルドレザーにはホコリが付きやすいので念入りにします。
結構このブラッシングだけでツヤがでます。私はテレビ見たり音楽聴きながら片方30分ずつくらいブラッシングしたりしてます。
ブラッシングすればするほどツヤが出てきて楽しいので念入りにやってみましょう。
画像じゃちょっとわかりづらいですが左がブラッシングのみしたものです。微妙ですがツヤに違いがあるのがわかると思います。
このブラッシングがとても大事です。オイルをつける前にホコリまで完全に落としておくのが正しいです。
どんな手入れをするにも基本はブラッシングからです。覚えておいて損はありませんよ。
ミンクオイルの塗り方
ブラッシングを終えたら次にミンクオイルを塗り込んでいきます。
ミンクオイルの特徴は、
・革を柔らかくする
・少量でもよく革に馴染む
・高い防水性を持つ
・表面に自然な光沢を出す
・汚れに強い
・キズを目立たなくする
などがあげられます。
注目すべきは「少量でもよく革に馴染む」というところです。
まずは少量をウエスに付けて、ブーツにちょんちょんと2、3か所くらいにつけてみます。
それを伸ばしながら塗っていきます。革が乾いていて足りないなと感じるなら少量ずつ足していく感じです。
ちょっと塗り込んでいくだけでこんなに汚れも一緒に落ちてくれます。
ベロの部分もめくってオイルを塗っていきます。
しつこい様ですが、オイルは薄くていいのです。
たっぷり塗ればキズも目立たなくなるし光沢が出るので、ついつい楽しくなって塗り過ぎてしまう気持ちも分かります。
しかしそれがカビの原因になるのです。しかもミンクオイルは革を柔らかくする性質がありますので、柔らかくなりすぎて型崩れの原因にもなります。
塗りすぎて良いことは何一つありません。
オイルを塗った後はしばらくおく
オイルを塗った後はしばらくおいて革にオイルを浸透させます。
私はいつも一晩ほどおきます。(これが正解かどうかは断言できませんが…。)
仕上げ
一晩ほどおいて、軽くウエスで余分なオイルを拭き取ります。
それから、最後に仕上げのブラッシング!
仕上げの馬毛ブラシはとても重要だと私は感じます。
馬毛ブラシは奥深くまでブラシが届く特徴があるので、最後のブラッシングでよりオイルが革の奥まで浸透してくれるのです。
これによりツヤが落ちにくく、自然な光沢が出るようになります。
最後のブラッシングがより革の良さを引き立たせてくれる大事な作業になります。
カラッカラに乾いたブーツの手入れ
これはひどい。何年も手入れせずに、しかし年に数回は履かれていたブーツです。
レッドウイングではなく「FRYE(フライ)」のブーツ。
今回このブーツにもミンクオイルを塗ってみます。
手入れの手順は上記同様、まずはブラッシングを丁寧に行います。
傷や剥げた部分は注意
トゥの部分は傷つきやすいですが、このブーツも例外なく傷ついています。ヒッカキ傷や剥げもあります。
そんな部分にオイルを塗り込む際は丁寧に行います。
ヒッカキ傷は優しく押し込むようにしてオイルを塗り込むといいです。このブーツのトゥ部分は剥げも多いので優しくオイルを塗り込みました。
ミンクオイルだけでも驚きの結果
すごくないですか?この差!
同じブーツとは思えないほどの結果となりました!
オイルを塗り込んで、しばらく置いて…
余分なオイルは拭き取ってブラッシングで完了。
見事色艶が戻りました。しかもワークブーツらしいアジが加わり、レッドウイングも顔負けでしょ。
手入れの頻度は?
手入れの頻度は実際コレってものはないと思いますが、私の場合は年に2、3回くらいでしょうか。
ワークブーツは丈夫なのである程度放っておいても大丈夫です。ホコリなどが気になった時はブラッシングだけでもいいですしね。
とはいえそれは年に数回でもオイルを入れて手入れしているからでもあります。
ミンクオイルは防水効果もあり、汚れも弾いてくれるのでオイルを含んでいる状態ではブラッシングだけでも十分だと思います。
革にうるおいがあるのに、それにまたオイルを染み込ませる様な過剰な手入れは避けましょう。
「ちょっと革が乾いてきたかな?」と感じる頃に手入れするのがいいでしょう。
上のフライのブーツの様にカラッカラになるまで放置するのはどうかなと思いますが。。。
しかしカラッカラに乾ききってもちゃんとまた復活するので、ある程度の放置も全然問題ないと思います。
“とにかくタフで、気兼ねなく履ける”これがワークブーツの魅力であり、冒頭でも言いましたが、
まず実用的であること、カッコよさの原点はそこにあるのです。
水に濡れた時は早めの手入れを
ちょっとした雨ならば柔らかい布、タオル等で擦らずに優しく叩く様に水分をとると良いです。
ミンクオイルを塗っていたらちょっとくらいの水分なら早めに対処すれば問題ないです。
どっぷりと完全に水の中に浸かってしまったら、上記の様に優しく叩く様に水分をとり自然に乾かします。
ドライヤーで乾かすのはダメです。
型崩れしないように靴の中に新聞紙など入れて、自然乾燥させましょう。
革は水に濡らすと柔らかくなりますが、乾くとその状態でカチカチに固まる性質があります。
例えば水に濡れてふにゃふにゃの状態だとすると、乾いた時はそのふにゃふにゃの形のままカチカチに固まります。
ですので激しく濡らしてしまったら型崩れに気をつけます。
自然乾燥させると革が硬くはなりますが、ミンクオイルで油分を与えるとちゃんと柔らかくなり復活します。
気になるカビ対策
まずはオイルを与え過ぎない。これが大前提でしょう!
次に通気性の良い場所に保管。
とはいえ靴箱に収納するしかないという場合が多いかと思います。
ですので靴箱に収納するならば、
「乾燥剤」がカビ対策に一番です。
我が家も靴箱にはいつも乾燥剤を置いています。
・オイルを塗り過ぎない
・乾燥剤を活用
これで私のブーツには一度もカビが発生したことはありません。
最後に
いかがでしたか?
手入れの手順はとてもシンプルで、ミンクオイルだけでも十分だということを感じていただけたはずです。
ちょっと手入れを怠っても再び潤いをよみがえらせることがミンクオイルではできます。
ミンクオイルはミンクオイルだけでしか出せない自然な色艶があり、それがまたカッコいいんです。
そしてまずはブラッシングを極めてみてください。
ブラッシングで仕上がりの差が生まれるのも事実です。
ブラッシングで始まりブラッシングで終わる。
あなたのブーツがあなた色に染まること間違いナシです。
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