フォークリフトの操作 ~リーチリフト編~

フォークリフト
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フォークリフトの免許取得の際、技能講習ではカウンタ式で練習することが主になると思いますが、実際に仕事で乗るリフトは「リーチフォークリフト」という場合もあると思います。

ここでは倉庫内でよく見かける「リーチフォークリフト」の操作について説明します。

リーチフォークリフトの基本的な操作は、

・一番右のレバーで前後進
・ブレーキは左足で操作し、踏んでいるとブレーキ解除、離すとブレーキがかかる
・中央のレバー(3本または4本)でフォーク(爪)の操作

となります。

以下詳しくみていきましょう。

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リーチフォークリフト前後進の操作

リーチフォークリフトでは、オペレーター(運転者)は立って操作します。

リーチフォークリフトのオペレーター席


運転席の足元を見てみると、左側にあるのが「ブレーキペダル」になります。

リーチフォークリフトのオペレーター席プレゼンススイッチ付き

この画像は右側にもペダルがあるニチユのリフトなのですが、「プレゼンススイッチ」と呼び、このペダルを踏んでいないと走行、荷役操作ができなくなります。

このペダルにより、右足かかとの車体からはみ出した状態での走行を防ぐことができ、安全な乗車姿勢で荷役操作ができます。

トヨタや住友のリフトにも、ペダルがなくても、オペレータが運転位置にいないときには、荷役、走行機能を停止するといった、安全機能は装備されています。

この装置が装備されていないリフトも職場によってはあるかと思いますので、その場合安全な乗車姿勢を、より強く意識する必要があります。

足元のブレーキペダルですが、車や、カウンタ式フォークリフトとは逆で、
踏むとブレーキ解除、離すとブレーキがかかるという、「デッドマンブレーキ」と呼ばれるものが採用されています。

通常走行するときはブレーキペダルを踏んでおき、離すとブレーキがかかるというものです。

リーチフォークリフトは立って乗車、操作する為、万が一振り落とされた場合すぐに停止する仕組みです。

ブレーキの仕組みを理解したところで、いよいよ前後進の操作です。

リーチフォークリフトのリフトレバー・チルトレバー・リーチレバー・前後進レバー

画像一番右のレバーが「前後進レバー」です。

運転席に立ち、キースイッチを入れるのですが、その前に!!

前後進レバーが中立になっている

・ブレーキがかかっている(ブレーキペダルを踏まない)

これらを確認してからキースイッチを入れます。

キースイッチを入れたら、ブレーキペダルを踏みブレーキを解除します(ペダルは踏んだまま)。



ブレーキペダルを踏んだままの状態で、前後進レバーをゆっくり前方に倒します。
そうするとゆっくりと車体が前に進みます。


停車するときはブレーキペダルから足を離します(ブレーキ操作は左足で行います)。

そして同じように前後進レバーを手前に倒すと後退します。


どうですか?リーチフォークリフトは、意外と簡単に前後進できますよね。


ここでは安全確認については触れていませんが、技能講習で学んだと思います。
必ず安全確認を行ってくださいね。



前後進の操作で注意すべき点は、

急発進しない(勢いよくレバーを倒さない)。
前後進レバーを倒した状態からブレーキを解除しない。必ずブレーキを解除した状態(ブレーキペダルを踏んだ状態)からレバーを倒し前進後退を行いましょう。

フォーク(爪)の操作

前後進の次はフォークの操作です。実務では「ツメ」と呼ぶことが多いでしょうかね?

レバーを再度確認してみましょう。

リーチフォークリフトのリフトレバー・チルトレバー・リーチレバー・前後進レバー

リーチフォークリフトの基本的な操作は、一番右側にあるレバーで前進と
後進を行ない、中央3本のレバーで、ツメの操作を行います。

これには3つのレバーがあります。

画像はニチユのリーチです。

左から「リフトレバー」・「チルトレバー」・「リーチレバー」の順番になっています。

・リフトレバーはフォークの上下(上昇下降)
・チルトレバーはフォークの角度(前傾後傾)
・リーチレバーはフォークの前後(出し入れ)

気を付けておきたいのは、レバーの配置は各メーカーによって違うという点です。


左からリフト・チルト・リーチの順番でレバー配置されているのが“ニチユレバー”

左からリーチ・チルト・リフトの順番でレバー配置されているのが“住友レバー”

左からチルト・リーチ・リフトの順番でレバー配置されているのが“トヨタレバー”

このように各メーカーで違いがあるのですが、
最初の購入時に、オプションでレバー配置の変更が可能なんです。

ですので実際のところ、勤め先の会社によって違うと思います。

私の会社では、ニチユもトヨタもすべてニチユタイプになっており、同じ配置です。
その方が操作ミスの可能性も減り、安全であると思います。

会社内でも、配置の違うリーチリフトもあるかと思いますので、最初は確認してください。

またリフト・チルト・リーチのレバー以外に、「サイドシフト(スライド)」レバーが配置されているリーチリフトもあります。
その場合レバー数は4本となります。
必ずとも必要な機能ではないため付いているものは少ないかもしれません。

サイドシフトは、荷物を左右に微調整しながら置けるという便利な機能なのですが、ツメを元の位置に戻さずにリーチインしてしまうと、バックレストが引っかかってしまい、衝撃とともに荷物をひっくり返してしまう危険性もあるんですよね。

サイドシフトが付いている場合は注意が必要です。

リフト・チルトレバーに関してはカウンタ式フォークリフトと操作は同じです。

リーチレバーが、リーチフォークリフト独特のもので、ツメ全体を前後に出し入れできるのです。
文章ではなかなか伝え難いのですが、この機能によりカウンタ式よりも狭い場所での旋回が可能となります。

リーチレバーの操作は、

レバーを前方に倒す⇒ツメが前に出る(リーチアウト)

レバーを手前に倒す⇒ツメが手前に戻る(リーチイン)

※パレットにツメを差し込み、パレットを持ち上げリーチインする際には、ある程度の高さまでパレットを持ち上げます。
そうしないと、パレットが、前輪タイヤの所(リーチレッグ)に引っかかり、ツメがパレットから抜けていき、パレットが傾き積荷が落下する危険性があるので注意が必要です。


走行時は、荷物を持っている持っていないに関わらず、必ずリーチインの状態で走行しましょう。
リーチアウトの状態での走行は、ブレーキの制動や、遠心力の影響を大きくうけやすく、非常に危険です。
常にリーチインで走行する癖をつけておきましょう。

最後に

リーチフォークリフトの操作についてお話してきましたが、まずは安全を意識することが技術向上の第一歩だと私は思います。

各操作に慣れてくると必ず“同時操作”をしてしまうものなんですよね。実務では当たり前のように同時操作、ながら操作を皆やっています。

技能講習では一つ一つの操作を丁寧に行ったことだと思いますが、
それは安全第一に考えられたものであり決して忘れてはいけません。

同時操作は見た目はスムーズでカッコイイ操作を行っているように感じるかもしれませんが、私はそうは思いません。

一つ一つを丁寧に、かつ安全確認を要所要所でしっかりした上で、スムーズな作業を行っている姿が、一番カッコよく見えます。

同時操作が絶対にダメだとは言えませんが、生産第一よりも安全第一で仕事を行う姿勢でいれば、使い分けることができると思います。

安全で事故のない職場環境を作っていきましょう。

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