リーチフォークリフトを上手に安全に乗りこなすコツはコレ!

フォークリフト
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日々多くの倉庫内で活躍しているリーチフォークリフトですが、
なかなかコツが掴めず乗るのが苦手だという方もいるのではないでしょうか?

もちろんある程度は練習が必要ですが、
意識を変えることでもしかしたら今より上達できるかもしれません。

私がオススメする安全で上手に乗りこなすコツをここではお話してみようと思います。


結論から言えば、「バッテリーに優しい運転を心がける」 ということです。

と、その前に!まだ全然慣れてない方は、まずパレットの正面に車体をもってこれる練習をたくさんしましょう。
なかなか正面にもってこれず何度も何度も切り替えしている姿を見かけたりもするのですが、それじゃあスムーズに作業も進みませんもんね。
ラックにパレットを格納するにしても、まずは車体を正面にもってこれるようにしましょう。

左右の前輪タイヤを直線で結んで、その中心の点をパレットの中心に持っていくイメージでしょうか。
何度も練習して感覚を掴みましょう。


話を戻して、バッテリーに優しい運転とはどういうことかというと、バッテリーに負荷をかけない操作ということです。
カウンタ式もリーチ式もバッテリーのお値段は結構なものなんです。車体価格の半分近くはバッテリーのお値段なんですよね。
ここを意識されてる方意外と少ないのではないでしょうか?

バッテリーには寿命があり、一般的には放電率75%で1200サイクルと言われています。

※放電率とは…満充電の状態から何%放電(使用)したかを表します。
※サイクルとは…充電→放電(使用)した状態を1サイクルとしてカウントします。


このことに加え、バッテリー液の温度も寿命に関係してくるのです。

バッテリーの液温は、リーチフォークリフトの操作と密接な関係になります。

そしてバッテリーに負荷のかからない操作は安全にも繋がり、周囲からも「あの人上手だな」と思われること間違いナシです。

ではどういう操作がバッテリーに負荷がかからないのかみていきましょう。

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上手なハンドル操作

リーチフォークリフトハンドル

ハンドルは動輪タイヤが真っ直ぐの状態から何回転で全部切れるでしょうか?
4回転はいかないですが、だいたい4回転弱というところでしょう。

どうでしょうか。無駄に最大でハンドル切って旋回したりしていませんか?

この全開でハンドルを切って旋回する操作は実はバッテリーに負荷がかかっているんです。
バッテリー液温を上昇させ、バッテリーの寿命を縮めてしまってるんです。

直角に曲がる所で全開に切って曲がったりしている方もいるかもしれませんが、
そんなにハンドル回さなくても、1~2回転以内で曲がれるはずです。

ですので、出来るだけ少ない回転での旋回を心がけることが大切です。

また、少ない回転で旋回するということは、
オーバーハングによる接触事故を防止することにも繋がるのです。

そして「急」が付く運転は絶対にしないことです。ハンドル操作でいえば、
“急旋回”がそれにあたります。

急旋回はバッテリーに負荷もかかり接触、転倒事故にも繋がります。

急なハンドル操作は控え、曲がる時も少ないハンドル回転数で操作し、
バッテリーに負荷のかからない運転が上手なハンドル操作と私は思います。

上手なブレーキ操作

ブレーキ操作で一番控えたいのは、“急ブレーキ”です。
荷物を持った状態では尚更危険です。 

前進時と後退時ではブレーキの効きは違って、前進時よりも後退時の方がブレーキの効きは良いです。
重い荷物を持った時にそれは顕著に表れます。

ですので基本はバック走行です。

そして前後進レバーも上手に使いこなすのがコツのひとつです。

例えばバック走行時。止まりたい時に手前に倒している前後進レバーを前に倒します。
加減は体で覚えていくしかありませんが、足元のブレーキを使うよりも優しく減速、停車が可能となり
特に荷物への負荷が軽減される為、是非覚えたいテクニックです。

上手な荷役操作

上手に荷役操作するというのはどういうことでしょうか。

“バッテリーに負荷のかからない操作”

これが上手な荷役操作だと思います。

では逆にバッテリーに負荷のかかる操作とはどういったものでしょう?

①急加速
②同時操作(走行しながらリフトアップ)
③最大荷重(かじゅう)の荷を持った状態での長時間作業
④押し込み作業
⑤フォークの先で荷物の引き出し

上記のような事例がバッテリーに負荷をかける操作です。

①は“急”のつく操作ですね。フォークリフトの操作は“急”の付く操作は絶対にしない方が良いです。
急旋回、急ブレーキ、急加速。これらの行為は、周囲の作業者に危険がおよびますし、荷物に対しても同様です。
急の付く操作で荷を落下させ破損させるというシーンを何度も見ていますが、「下手くそだな」とつい思ってしまいます。

②の同時操作は殆どのオペレーターはやっていると思います。肘で(正確には肘ではありませんが)走行レバーを操作し、
滑らかに荷役レバーを操作する姿に最初は憧れるものです。
しかし、同時操作に慣れてしまい安全が損なわれているという事も意識しておく必要があります。
何もかもが「ながら」ということに慣れ、安全確認もながらになってはいないでしょうか?

リーチフォークリフト荷役レバー操作フォーム

このように操作のフォームをとるのは良いと思います。次の動作にスムーズに移れますからね。
しかし同時操作はなるべく控えるようにしましょう。生産性も確かに大事ですが、やはり安全第一です。
落ち着いた操作、丁寧に操作する姿は周囲も安心できますし、上手に思えます。

③の最大荷重についてですが、ここでは詳しく話しませんが、リフトを上手に乗りこなすには必ず意識しておかないといけません。
最大荷重を超える荷を操作するのは危険ですし、
ここで強調したいことは、「フォークの根元までパレットをしっかり差し込む」ということです。
そうすることで安定した操作ができるのです。

④は必要なければしない方がいいですよね。危険も伴います。

⑤については仕方のない場合もあります。
バースが狭い場合など荷卸し時にはどうしても引き出さないといけない場合あります(フォークの長いリフトを会社に用意してもらうべきなんですけどね)。

フォークの先での操作はあまり良い印象はありません。
微調整の為なのでしょうがツメの先でパレットを突いて動かしたりする姿も見かけますが、あれはダメですよ。
パレットが割れますし、現に割れたパレットが山のように出回っています。やめましょう。



①~⑤の操作はバッテリーに負荷がかかるだけではなく、安全に対する配慮も足りません。
これらの操作を控える意識を高く持てば必ず技術も向上しますし、何より安全に対する意識が強くなっていきます。

最後に

今回バッテリーに優しい運転という視点でお話ししました。
フォークリフトは安全に操作をする事を意識しておかないと、大事故に繋がる車両です。

バッテリーの事を意識していれば、安全にも配慮でき、経費削減にも繋がるなんて最高じゃないですか。

安全第一、品質第二、生産第三、という言葉がありますが、生産(作業効率)を第一にばかり考えていると、
ひどい目に合うこともあるかと思います。

ちょっと視点を変えてみて、
事故を起こさず上手に操作出来るオペレーターを目指してみてはどうでしょうか。

読んでいただきありがとうございました。


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