フォークリフトの荷役操作で、二段取りというものがあります。
二回に分けて荷物を取ったり置いたりする荷役操作です。
免許を取る際の講習では、この方法でしか荷物を取ったり置いたりしませんでしたよね。
しかし実務ではあまり活用されていない気がします。
トラックからの荷卸し時には二段取りや二段置きは、せざるを得ない場面が多いかと思いますが、ラックに格納する際やラックから取る際にはあまり活用されていない気がします。
ラック等への接触や破損も多いのではないでしょうか?
二段取りをする気もなくただ持ち上げるだけだと、荷のバランスが悪いと思った瞬間にはもう荷崩れや破損になっている場合があると思います。
二段取りなら、一度持ち上げた時に荷の状態を確認できるんですよね。
二度手間に思われるかもしれませんが、慣れてしまえばそんな事はありません。
注意点は、ツメの差込みが浅いと荷崩れや落下の危険がありますので、荷重中心位置なども意識した上で、ガンガン活用したいテクニックです。
またこのような荷役操作では前方の荷役作業に気がとられ、後方確認がおろそかになりやすいです。
後方確認は特に意識しましょう。
二段取りの手順
※まず荷崩れや破損の危険がないか確認します。
①荷物の前で一旦停止をし、ツメ(フォーク)を水平にします。
②ツメをパレットの差込み位置へ上昇させます。
③ツメの2/3~3/4をパレットに差込むまで前進させ、約10cmリフトさせます。
④後方確認をし、フォークリフトを約20cm静かにバックさせます。
⑤荷物を一旦降ろします。
⑥ツメの根元がパレットに差込むまで前進させます。
⑦荷物を約10cmリフトさせます(持ち上げます)。
⑧後方確認を必ず行い、荷物を下げられる位置まで、フォークリフトを静かにバックさせます。
⑨荷物を地面から約20cmの位置まで下げ、マストを後ろいっぱい傾けます(目いっぱいチルトさせる)。
⑩目的の位置まで運びます。
リーチフォークリフトの二段取り
①、②は同様。
③リーチアウトせずに、車体をラック等ぶつからない位置まで前進させてから、
ツメの2/3~3/4をパレットに差込むまでリーチアウトし、約10cmリフトさせます。
④(車体はバックさせず)約20cm静かにリーチインさせます。
⑤荷物を一旦降ろします。
⑥ツメの根元がパレットに差込むまでリーチアウトさせます。
⑦荷物を約10cmリフトさせます。
⑧完全にリーチインさせ、後方確認をし、荷物を下げられる位置までリーチフォークリフトを静かにバックさせます。
⑨荷物をリーチレッグに当たらない位置まで下げ、マストを後ろいっぱい傾けます(目いっぱいチルトさせる)。
⑩目的の位置まで運びます。
二段置きの手順
※荷物を置く場所に荷崩れや破損の危険がないかを確認します
①パレット積み付け場所の前で一旦停止します。
②マストを垂直にします。
③荷物を積み付け位置より、約10cm高い位置までリフトさせます。
④フォークリフトを静かに前進させます。
⑤荷物を一旦、仮置きします。
⑥後方確認し、フォークリフト静かにバックさせ、ツメを約20cm引き抜きます。
⑦荷物を再び、約10cmリフトさせます。
⑧正しい積み付け位置までフォークリフトを前進させます。
⑨荷物を積み付け位置に降ろします。
⑩後方確認の上、ツメが完全に抜けるまでフォークリフトを静かにバックさせ、ツメとマストを走行時の位置にします。
リーチフォークリフトの二段置き
①(リーチインのまま)パレット積み付け場所の前で一旦停止します。
②マストを垂直にします。
③荷物を積み付け位置より、約10cm高い位置までリフトさせます。
④静かにリーチアウトします。
⑤荷物を一旦、仮置きします。
⑥静かにリーチインさせ、ツメを約20cm引き抜きます。
⑦荷物を再び、約10cmリフトさせます。
⑧正しい積み付け位置までリーチアウトさせます。
⑨荷物を積み付け位置に降ろします。
⑩後方確認後、完全にリーチインさせてからツメが完全に抜けるまでリーチフォークリフトを静かにバックさせ、ツメとマストを走行時の位置にします。
最後に
二段取り、二段置きは意外と事故防止の観点からも使えるテクニックではないかと思います。
正しく行えば色んな場面で役立つと思いますので今日から実践してみましょう!
こちらの記事もどうぞ
→フォークリフトの操作 ~リーチリフト編~
→リーチフォークリフトを上手に安全に乗りこなすコツはコレ!
→フォークリフト リーチフォークリフトの事故防止対策~今日から事故ゼロを目指す!~
→フォークリフト リーチリフトでの坂道走行~失敗しないための知識~