ギターの弦の張り替え時期は、張り替えた時からおよそ2週間ほど経った頃だと、一般的に言われています。
実際、弦を張り替えた直後の音と、2週間後の音は、あきらかに違いますよね。
張り替えてすぐの音は、ハリがあって、クリアな音質ですが、2週間ほど経つと、音の伸びも悪くなり、こもった感じの音になっていきます。
このあたりが、弦の張り替え時期だと一般的に言われています。
とは言え、いまいち納得できないのもわかります。
「そんなに弦を買うお金ないよ!」「毎日弾いているわけじゃないけど?」「2週間に一度なんて面倒くさい!」
このように思う方も多いでしょう。私もその一人です。
ですので、自分の中で弦を張り替える“目安”を作ってしまいましょう。
その“目安”となるものを、これからお話していきます。
チューニングが合いづらくなったら張り替え時期
弦が古くなってくると、サビなどが原因で、チューニングが安定しなくなってきます。チョーキングをするとすぐに音が狂ってしまうような状態です。
しかし、普段あまりチョーキングを使わない曲ばかりを練習していたら、気づきにくいかもしれません。
そこで、わかりやすい判断基準が、オクターブチューニングです。
弦がサビてくると、オクターブチューニングがずれてきます。
サビた古い弦では、オクターブチューニングが合いません。どれだけ頑張って調整しても、全然合いません。
ですので、オクターブチューニングがズレていたら、張り替え時期です。これを目安としましょう。
しかし一つ問題があります。
それは、普段から、オクターブ調整がきちんとされているギターで弾いていないと、判断基準にならないということです。
オクターブ調整は、自分でもできます。オクターブ調整をしっかりとしたギターを弾いていると、弦が古くなったときに、音程のズレを感じることもできますし、それが弦の張り替え時期の目安ともなるのです。
サビが出ていたら張り替え時期
弦の張り替え時期の目安として、“サビが出ていたら弦を張り替える”とするのも良いでしょう。
ギターの弦は、新しく張った瞬間から、すぐに劣化が始まります。弦を袋から出した時は、すごくキラキラと輝いていて、「わー!ピカピカだー!」とテンション上がるのですが、弦を張り終わったあと、よーく見ると、すでに黒ずんでる箇所もあったりして、その劣化の速度に驚かされます。
弦を張ってる最中の、手の汗や脂などの影響です。そして、たとえ弾かずに放置しているだけでも、ギターの弦は、空気中の酸素によって、酸化=サビが始まるのです。
初心者の方などは、どの程度(見た目)だったら張り替え時期なのか、判断に迷うこともあるでしょう。
そんなときは、
- 光沢があるかないか(曇ったような感じになっていないか)
- 弦が黒くなっているかどうか(1~3弦がわかりやすい)
これを判断基準にしましょう。
このような状態の弦だと、音が、曇った感じのトーンになっていたり、サスティン(音の伸び)が短くなっていたりするはずです。
また、チョーキングやビブラートもひっかかる感じがしたり、ひっかかる感じがしているということは、サビでフレットを削っているということです。
こんな状態ならば、弦の張り替えをすべきでしょう。ギターにも優しいです。
「弦の劣化は早いし、すぐにサビちゃうんだから、結局2週間ぐらいの交換が必須なの?」
と思うかもしれませんが、いえいえ、ちゃんと劣化を遅らせる方法もあります。
弦を長持ちさせるには
弦を長持ちさせるには、フィンガーイーズなどの、指板潤滑剤をつかいます。
指板潤滑剤には、防サビ効果もあります。
弦を長持ちさせる方法
ギターを弾いたあとに、まずウエスなどで、汗や脂をふき取ります。
その後、ウエスに指板潤滑剤を、「シュッ」と少量吹き付け、その吹き付けた部分で、弦を一本ずつ、つまんで拭いていきます。
なぜつまむのかというと、弦の裏側のサビも防ぐためです。弦をつまんで拭くと、表だけじゃなく裏側もちゃんと拭けるからですね。
この方法だと、2~3ヶ月はサビずに持ちます。しかも指板潤滑剤ですので、毎回この手入れを行っていれば、弾き始めからスムーズな弾き心地です。
指板潤滑剤で、弦に直接ぬりつけるタイプのものも、ありますよね。
もちろんこれでも同じように、弦にぬりつけたあと、一本ずつ、つまんで拭いていくのも効果あります。ただ、弦の裏側が……ちょっと気になるところですが、何もしないよりは全然良いでしょう。
ライブ前はどうする?
ライブ前は弦の張り替え時期なのでしょうか?
私は、弦を張り替えた直後の音は、あまり好きではありません。1週間ほど経ったあたりの音が一番好きなんです。
ですので、私はライブなどの1週間前が、張り替え時期になります。
では、弦を張り替えた直後の音が好きな方は、ライブ直前に張り替えた方が良いのでしょうか?
これにはやや不安があります。弦を張り替えた直後は、弦が伸びきっていないため、チューニングが安定しません。
ですので、少なくともライブ前日に張り替え、弾きならしておくのが無難でしょう。
まとめ
弦の張り替え時期の目安
・オクターブチューニングが合わなくなった時
・弦に光沢がなくなったり、黒くなった時
毎回ギターを弾き終えたあとに、指板潤滑剤による手入れを行えば、弦を長持ちさせることができます。
手入れを行いつつ、そのうえで「オクターブチューニングが合わなくなった」「弦に光沢がなくなった、黒くなった」時が、弦の張り替え時期です。
一般的に言われている、2週間という時間を目安にするのも、決して悪いわけではありません。
しかし今回お話した内容を考慮し、自分の張り替え時期の目安というものを作るのも、アリですよ。
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